作品紹介

作品紹介

「皆々さまへ」

ダニエル・キーン

ダニエル・キーン(1955年生まれ)はオーストラリアの劇作家。『サイレント・パートナー』『終着駅』『ハーフ&ハーフ』『建築家の歩み』『じゃんけんぽん』などが代表作として知られる。シンプルで淡々とした台詞を通して、社会の根底であえぐ人々の姿を力強く描き出す独自の作風を持つ。オーストラリアでも傑出した評価を受ける劇作家として知られ、国内の代表的な戯曲賞を総なめにしてきた。90年代末からは、オーストラリアのみならず、フランス、ベルギー、スイス、ポーランド、ドイツなど欧州各国でもキーンの作品がオーストラリアや欧州でテレビ/ラジオドラマ化されており、『サイレント・パートナー』はオーストラリアで映画化された。また2004年にキーンのオリジナル台本で製作されたオーストラリア映画『トム・ホワイト』は、同国で脚本賞を受賞している。

あらすじ

父と息子。父は60代。息子は40代。父は息子に語りかける。あるときは居間で。あるときはビアガーデンで。台所のテーブルで、電話ボックスの前で、銀行で、寝室で。浜辺で。そして、バスのターミナルで。

父は息子にこんこんと語りかける。息子はそれに答える。それに、必ず、答える。

父はある望みを果たそうとしている。父にとっての、最初で最後の望みを果たそうとしている。それを果たすために。決断しなければならない。皆々さまへ。これが一番よい方法のはずだ。